ポーセラーツで使用する白磁器は、洋食器に活用されることも多く、西洋から伝わったものだと勘違いされがちです。
しかし、西洋では作品に使用する磁器を別名「チャイナ」と呼び、中国が本家本元とされています。
こちらでは、白磁の種類についてご紹介します。
白磁の種類による特徴・色の違い
« スーパーホワイトポーセリン »
際立つ白さと光沢が魅力、一般のポーセリンよりも上質なカオリンを使用。
転写紙や上絵の具のなじみが良い。
透き通るように真っ白。
※カオリンとは、カオリナイト(kaolinite )という鉱物(ケイ酸塩鉱物)の一種。
kaolinite の名は、中国の有名な粘土の産地である江西省の高嶺(カオリン:Kaoling)に由来する。
« ファインポーセリン »
原材料・製造方法が通常のポーセリンとほぼ同様で、それよりも精度の高い製品。
青みがかった白色。
« ファインボーンチャイナ »
骨灰を使用することで、強度・透光度に加え、あたたかみのある色合いを持たせた高級白磁。
乳白色。
« ポーセリン »
一般的な磁器。青みがかった白色。
« コンセプトチャイナ »
アルミナで強度を高めた高級強化磁器。
熱や衝撃に強く、電子レンジ・オーブンが使用可能で、普段使いにも適する。
ベージュに近い乳白色。
※アルミナは通称で、酸化アルミニウム(さんかアルミニウム、英: Aluminium oxide)のこと。
« ニューボーン »
ボーンチャイナとは違い、牛の骨や燐酸カルシウムを一切含まない。
磁器土に長石を加えた胎土で成形され、1230℃~1250℃で酸化焼成される磁器。淡いベージュ。
« 陶器質 »
粘土を主原料として、製造時の焼成温度が低く強度が磁器よりも低い。
あたたかみのある乳白色。
☆キルンアートカタログNO.2より
中国から日本へ伝わった白磁
中国で白磁が作られるようになったのは、北斉時代(560~570年代)のことです。
かつては「南青北白」と言われ、中国南部は青磁、北部では白磁を焼く窯が多かったようです。
青磁と白磁の文化・芸術が最も発展した北栄時代には中国全土で陶磁窯が築かれるほどでした。
そんな白磁が日本に伝わったのは1592年のことで、豊臣秀吉の朝鮮出兵がきっかけとされています。
多くの藩が陶工を日本に連れ帰りましたが、鍋島藩が連れ帰った李参平(和名・金ヶ江三兵衛)という朝鮮人陶工こそが
今まで土ものの陶器が主流だった日本に新たな風を起こしてくれた人物です。
来日当初、李参平は今の佐賀県多久市で製陶を行っていましたが、当時の日本には白磁文化は無く、原料すら見つかって
いませんでした。参平は、納得できるものを作ろうと磁器の材料を探す旅に出ます。
そして1616年、ついに有田町の「泉山磁石場」に辿り着きます。泉山の磁石は原料・質量ともに白磁の条件を満たしていた
こともあり、そこから有田の窯業が急速に発展し始めたと言われています。
今も尚受け継がれている「白磁器」を日本で生み出した李参平は、有田焼の祖とも呼ばれています。
日本から西洋へ
1650年頃、有田焼はオランダの東インド会社により伊万里港からオランダをはじめヨーロッパに輸出されるようになりました。
ヨーロッパでは「IMARI」と呼ばれ、繊細優美なデザインから王侯貴族たちにも人気が高く、コレクターも多かったようです。
その後、ヨーロッパ大陸でも磁器作りが盛んになりますが、国によっては磁器の原料となる長石が採掘できず、代用品として
牛の骨を焼いた後の骨灰(ボーン)を用いて磁器(チャイナ)を作るため、白磁器はボーンチャイナと名付けられました。
ボーンチャイナは、滑らかな手触りと乳白色の美しさから、後にポーセラーツ作品にも活用されるようになります。
白磁は中国から日本、さらに西洋へと伝わりました。
釉薬を掛けると仕上がりに光沢が出るのですが、日本ではテーブルと接する高台の部分に釉薬を掛けず焼成するのに対し
イギリスのカップアンドソーサーでは口元に釉薬を掛けずに伏せ焼きをします。
形・名前・原料・技法を変えながらも、真っ白いシンプルな美しさのある白磁器は現在も世界中で愛されているのです。
人気ブランドを国別にご紹介
« イギリス »
ウエッジウッド・ミントン・スポート・ロイヤルドルトン・ロイヤルアルバート・ロイヤルウースター
ロイヤルグランドダービー・ロイカークハム・チャーチル・グリンドレー・カバースウォル
ションソンブルザース・スタフォードシャーテーブルウエアー
« フランス »
セーブル・リモージュキャステル・ジアン・ジャンルイコケー・ベルナルド・R.M.N
« ドイツ »
マイセン・ビレロイ&ボッホ・フッチェンロイター・ローゼンタール
« イタリア »
デンマーク
リチャードジノリ・パニオシン
« デンマーク »
ロイヤルコペンハーゲン・デシレ
« 日本 »
ノリタケ・大倉陶園・ナルミ・ニッコー・アダム&イヴ
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